勝ち切る頭脳/井山裕太



囲碁ファン ☆☆☆★
幻冬舎

 今更ながら読んでみた。

 「打ちたい手を打つ」という勝負哲学に関する記述が一番興味深いが、本人の内面と外からウォッチしている他人とでは印象がずいぶんと違うところがある。
 本人の述べるところでは、名人初挑戦で感じた限界から「打ちたい手を打つ」意識を強く持ち、自分の碁が変わっていったのだろう。ただ傍観者の見た目には翌年の名人戦の戦いぶりは、(たくましく、強くはなったが)そこまで根本的な変化があったようには思えなかった。本書でも述べられているように、2011年の棋聖戦(張栩棋聖に挑戦失敗)で「打ちたい手を打つ」方針の悪い面(リスク)が出てしまったわけだが、私が井山裕太の碁が変わったと感じたのはむしろこの前後からだった。だから「打ちたい手を打つ」という哲学も、張栩に勝つためというよりも国際棋戦で結果を出すための意識改革なのだろうと解釈していたが、本人の中ではずっと以前からの取り組みだったのだ。
 その辺りの内幕がわかって面白かった。
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読み物/文芸

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