NEW別冊囲碁クラブ12 石田芳夫のプロプロ置碁/石田芳夫

有段者 ☆☆☆☆
日本棋院 

 プロプロ置碁ものとしては傑作の類。
 ハンデ戦である置碁を、あえて(ほぼ)互角のプロ同士で行うプロプロ置碁は、並べてみないとわからない魅力がある。アマは置いたときは上手を恐れて震えまくり、置かせたときは相手の弱いことをいいことに無理手を連発することが多い。しかしプロプロ置碁を勉強すると、置いた立場、置かせた立場双方で理にかなった打ち筋があり、結局碁のいうのは状況に合わせて適切な手を打てたほうが勝つのだと、常識的なことを改めて納得する。こういう気づきは上達にとって大切なものではないかと思う。

 本書では石田九段が置かせた立場で7局(3子から9子)、置いた立場で6局(4子から9子)の13局を収録している。置いた立場ではがっちり勝ち、置かせた立場ではいやらしい打ち回しで巧みに差を詰、石田芳夫強しと思わせる。
 解説の量はまちまちで、9子局など比較的ワンサイドゲームになるのが仕方ない局は少ない譜分けになっている。双方の工夫が見事な好局は丁寧に解説されており、メリハリが利いた構成。
 途中で置碁の推薦書などのコラムが充実しており、それらの多くは方円書庫でもとりあげているものである。
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置碁

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