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落日の譜/団鬼六



筑摩書房 ☆☆☆☆

 熱心な将棋ファンとして知られる小説家・団鬼六の絶筆となった囲碁棋士雁金準一の評伝小説。

 自身と囲碁、それも雁金という棋士との接点の回想から始まり、維新期の囲碁界から物語を始めている。資料としては「坐隠談叢」の他、秀哉や雁金の回想録を用いているようだ。秀甫の方円者と坊門の対立、高田民子の囲碁界後援とその終焉、秀栄と秀哉(田村保寿)の不和など、囲碁史ではよく語られるところだが、小説だけあってそこに具体的な描写が肉付けされいきいきと描かれている。個人的には世評ほど秀哉を悪くは思わないのだが、この小説を読むと確かに憎たらしく思える。

 小説は完結しておらず裨聖会設立までしか描かれていない。ここから関東大震災を契機として囲碁界は再編され日本棋院が成立する。日本棋院に合流することを良しとしなかった雁金らは棋正社を結成し、有名な院社対抗戦へと進んでいく。まさにここからがクライマックスというところで筆が絶たれたのは残念というしかない。
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読み物/文芸

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