石心 囲碁棋士・大竹英雄小伝/井口幸久



囲碁を知らない人でも ☆☆☆☆

 大竹英雄名誉碁聖の評伝。
 西日本新聞にインタビュー記事として連載されたものに加筆されて出版されている。

 新聞連載ということもあって囲碁を知らない読者を想定して書かれているので多くに人にとって読みやすいかと思う。筆者の文章、大竹の語ったことを「聞き書き」した文章、そして豊富な参考文献からの引用と、3つのテクストが混在する独特な構成になっているが、個人的には非常に面白く読んだ。かなり綿密な取材をしていると感じられるところと、通り一遍の記述でなく筆者が棋士大竹、人間大竹に肉薄している点で非常に読みごたえがある。

 大竹英雄の足跡を辿りつつも、師木谷実にもかなりの紙巾を割いており、大竹の目を通しての囲碁近代史(江戸から現代まで)が描かれている。また師匠や先輩棋士、ライバル林海峰、そして後輩棋士たちと棋譜と人物論も面白い。何故か武宮九段の話が上がっていない点が不自然で気にかかる。(巻末の特選譜には武宮九段も登場する)

 久しぶりに大竹先生の棋譜を並べたくなった。
 
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読み物/文芸

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