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現代囲碁大系24 杉内雅男/杉内雅男



講談社/小堀啓爾
有段者 ☆☆☆☆ 

 現代囲碁大系第24巻。「神様」杉内雅男九段の代表作30局を収める。
 戦後の囲碁界を代表する名棋士であるが、本因坊9連覇の高川やタイトル王坂田の陰に隠れたひとりであるといえる。タイトル獲得は早碁名人戦(十段戦の前身)などわずかであった。
 似たような境遇の棋士には「石心」梶原武雄や「変幻」山部俊郎がいるが、決定的に違うのは梶原山部といった棋士が他に類を見ない強烈な個性を発揮したのに対して、杉内は非常にオーソドックスな棋風であり、あくの強さや癖が少ない。「神様」というニックネームは半ば敬意で半ばは揶揄が混じったものだというが、戦後の杉内の囲碁に打ち込む姿勢は鬼気迫るものがあり、その強烈さはけして他に劣るものではない。しかし磨けば磨くほど、練れば練るほど、余分なものが削ぎ落ちて洗練していくのがこの人の個性であったようだ。本人いわく「読みが身上の戦いの碁」であるが、石立てからヨセまであらゆる分野に神経が生き届いているという印象がする碁である。プロの中のプロといった感じであり、一言でいえば完成度の高い碁であると思う。また、本書の解説は非常に精密にして明解であり、杉内九段の研究態度やその深さを窺わせる。小堀啓爾の筆もよい。

 杉内九段の棋譜は高川、坂田といった勝者側の打碁集から調べることが多かったが、今回集中的に並べてみて印象が変わった。一見して地味だが、けして無個性などではなく、実は地味でもない。静かだが確固たる核心をもった魅力的な碁である。杉内九段の打碁集は、おそらくこの現代囲碁大系版しかないので、非常に貴重な一冊ではないだろうか。
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昭和(打碁集)

Comment

「神様」の碁

 初めまして。先日の「80歳差対決(3月10日、王座戦、杉内雅男―大西竜平)」がきっかけで杉内先生の碁に興味を抱き、本書を取り寄せました。
 一介の級位者には難しく感じられる部分もありますが、管理人さんのいう「完成度の高い碁」を鑑賞するとともに少しでも身につけたいです。
 なお余談ですが、対局相手に時代を感じます(呉、岩本、瀬越、木谷など)。戦前~戦後の碁界の生き字引ですね、杉内先生は。
  • 2016⁄03⁄14(月)
  • 21:07
  • [edit]

返信が遅くなり失礼しました。
杉内先生、いまだにご夫婦で活躍されていてすごいですね。

この本は、おすすめです。あまり知られていないですがいい打碁集だと思います。
  • 2016⁄03⁄21(月)
  • 07:07

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