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秀策 極みの一手/高木祥一



日本棋院/佐野真
有段者 ☆☆☆☆★

 週刊碁に連載された講座を元に、本因坊秀策の名局から特に素晴らしい打ち回しにフォーカスして解説を加えたもの。連載は52回に及んだが、単行本化されたのはその中から厳選された30局で、連載時よりも加筆されている。連載時には新聞紙面の不自由さもあり窮屈な構成であったが、今回の単行本化・加筆修正によって満足な仕上がりになっている。巻末に2譜分けで題材譜も収録している。

 本因坊秀策の強さは、一見して平凡な着手を重ねて、しかしいつのまにか優位を築いてしまうところにあり、奇手鬼手というものはむしろ少ない棋士である。本書に取り上げられたテーマも、一手一手は誰でも打てそうな(思いつきそうな)手であることが多い。
 注目してほしいのは一連の着手の流れであり、その中に潜む深い読みと対局観である。「流れ」を感じるためには実際に盤上に並べてみるのがよいので、経過図などを利用して是非秀策の打ち回しを盤上に再現してほしい。平凡に見えてそこには非凡なものがあり、凄味がある。
 高木九段の作図は棋理をシンプルに、そして明確に示してくれるのでわかりやすく、棋聖秀策の深遠な読みのレベルにまで読者を的確に案内してくれるものと思う。

 秀策の碁は、長く規範とされ「日本の碁」の骨格をなしてきた。現在は持ち時間の短縮の影響と中韓の国風もあって激しく短期決着的な石の運びが主流となっている。しかし、伝統的な「日本の碁」のよさも否定できないものである。「日本の碁」を理解し、そして味わって楽しむうえで、本書はよき入門書となるであろう。

【参考】
 名人・名局選 秀策/福井正明
 完本本因坊秀策全集/福井正明
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中盤

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