天地明察/冲方丁



角川書店 ☆☆☆☆

 貞享歴を作った渋川春海の生涯を描いた歴小説。安井家に生まれから改暦という大事業にのめり込み、ついにはそれを成し遂げてしまう春海の生涯をドラマチックに描いている。

 渋川春海は貞享暦の功もあって幕府の天文方に任命されるが、もともとは一世安井算哲(春海と区別するために古算哲という)の実子であり碁方を務め、やはり安井算哲を名乗った棋士であった。当時の安井家は二世算知(名人算知)の時代で、算哲のほかにも知哲、春知など当時を代表する打ち手が並び立つ華やかな時代だった。また算哲の同時代人として棋聖本因坊道策がおり、算哲は知哲や春知と並んで道策の有力な敵手のひとりであった。

 むろん、この小説では天文学者、数学者としての春海に焦点が当てられており、碁は話題に中心は無い。しかしながら本因坊道策などの棋士や御城碁も紹介されており、小説の重要な要素になっている。
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読み物/文芸

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