定石原典/梶原武雄



ユージン伝/中山典之
囲碁を哲学する人 ☆☆☆☆

 古い定石の本なので、今や一般的には価値がないように見えるが、そこは梶原本の面白さで輝きを失っていない。

 前書きにも書かれているが、定石は手順を覚えること(だけ)が重要なのではなく、その一手一手の意味を考え、それを知ることが重要だという考えに貫かれた内容だ。それは読者に要求しているだけではなく、定石を解説する側にも徹底されていて、1980年代当時に(あるいは今でも)定石として通用している型でも、梶原武雄九段が棋理にそぐわないと思われるものはばっさり切り捨て、代案を示している。今の目から見ても斬新な図が散見され、梶原武雄という人の独創性、先見性を改めて感じる。また常に石の働きを考え工夫するその態度そのものが示されている。

 本書で、定石そのものに入門しようというのはお薦めしない。(それも一興かもしれないが)なにぶん情報が古い部分があるからだ。一通り基本定石や流行定石をうろ覚えできてから読むと、定石の深い部分にまで目が届いて理解が進むかもしれない。わかったような気にはなったがその先に進めないと煮詰まっている人にお薦めである。

 ユージン伝はよい棋書を出すが、1ページに19路の全体図1つという固定化された不自由な構成が難点。1ページに参考図を2つ載せるために対偶に反転した図を使っているが、なれない人にとっては見にくいだろう。頭の体操になる、これも味、ということもいえるだろうが。


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定石

Comment

俺的には☆1つだった。
  • 2010⁄06⁄03(木)
  • 14:07
  • [edit]

結構好きな定石書

読み物として読める感じがして、好きな定石書です。

ただ、小目の定石は、あの厚さでは十分に入りきらないため、面白さ半減。星・三々は面白かった。

僕は、棋譜に出てきた定石を基本定石辞典で調べるスタイルなのですが、たまには定石書を最初から読んでみようと思います。
  • 2010⁄06⁄03(木)
  • 18:33

takaさん>>

 評価が分かれやすい一冊でしょうね。


tamaさん>>

 確かに定石書というよりも定石読本といった感じがする本ですね。知識よりも考え方を学べるという印象です。

>僕は、棋譜に出てきた定石を基本定石辞典で調べるスタイル

 王道ですね。
  
  • 2010⁄06⁄04(金)
  • 11:23

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