鬼手・魔手 韓流究極の詰碁/権甲龍
- 2009⁄03⁄30(月)
- 19:40
毎日コミュニケーションズ/洪敏和訳
高段者 ☆☆☆☆★
李世石などを輩出している権道場秘伝の詰碁集。前書きにあるが、道場内の秘密のテキストであったが囲碁界の要望で書籍化したものらしい。要するに韓国版「発陽論」みたないなものだが、それにふさわしい難問揃いである。解答は3ページほどを割き、比較的親切であるといえる。
詰碁のスタイルとしては大掛かりな難問が多い。プロ仕様なのでほとんどのファンには無用の問題ばかりだろう。(こういう問題を解く前に基本問題を沢山解いた方がよい。具体的には山田詰碁や石榑詰碁のシンプル作品がよいだろう)この本を実践的な教材として使用するには県代表レベルはないと無理ではないだろうか。もしくはよほどの詰碁マニアでないと投げ出してしまうだろう。
とはいえ「あの李世石が解いた」 などと宣伝されてしまうと、ちょっと怖いもの見たさ的な興味がそそられる一冊ではある。観賞用として手元において、これらの問題の変化を瞬時に読みきるプロ棋士の頭脳のすごさを実感してみるのも面白いかもしれない。
なお日本語版の特別付録として、李世石の実戦の手どころを3例を「実戦詰碁」として収録している。分量は少ないが非常に面白い内容である。
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