呉清源

 現役を退いて久しいが、現在も囲碁研究に明け暮れているという昭和の棋聖。
 呉師は沢山の著作を発表されており、宗教的な人気さえある。また同時にアンチも存在して、著作に関しては評価の難しい棋士である。以下私なりに見解を述べる。

 まず残した棋譜に関しては棋聖の名に恥じぬものであり、囲碁界の宝と言って誰も文句を言うまい。打碁集の類は是非手にされるとよいと思う。
 呉師は新手の多いことでも有名で、既成概念にこだわらない自由な発想、鋭い手筋、深い読みを兼ね備えており、定石研究に関する著作は非常に有意義。もはや過去の定石本となったものがほとんどだが、温故知新ではないがアマチュアが囲碁の考え方や手筋を学ぶには良書と言えるものが多い。今猶価値があると信じる。
 詰碁本も幾つか出しているが、基本的で古典的なけれんみのない作品が多く、これはお薦めのものが多い。

 問題は布石本である。雑誌上に連載をされて人気を博した「黒の布石」「白の布石」シリーズというものがあり、名講座といってよかった。現在に到る呉師の布石講座、布石本は数え切れないほど。ただし、黒の布石ならば黒が必ず優勢になるのだが白の問題手が指摘されないなど一抹の胡散臭さが気に入らないという人も多いだろう。また個人的には、引退生活が長くなってから作った模範布石例は、どこか生気のない作り物のような碁が多くなってしまい、質が落ちたと思う。模範布石などというもの自体が生きた碁ではないのだが、それにしても質が落ちたというのが正直な感想。ただアマチュアレベルから見れば棋理を学ぶテキストとしては充分なものであることは間違いない。ただし狂信すべきではないだろう。

 個人的には全般的に三堀将などと組んで出した古い著作の方が面白いと思っている。 

○著作リスト

 呉清源打碁全集/呉清源
 呉清源最新打碁研究〈1〉~〈4〉/呉清源
 新・呉清源道場/呉清源
 自強不息/呉清源
 寿石不老/呉清源
 呉清源詰碁道場(上・下)/呉清源
 道策/呉清源
 現代定石活用事典(全3巻)/呉清源
 

参考
 呉清源とその兄弟/桐山 桂一
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棋士・観戦記者

Comment

貴方は呉清源氏を批評できるだけの方なんですか?
  • 2008⁄12⁄03(水)
  • 00:00
  • [edit]

感想

なるほどなかなか面白い批評ですね。呉先生の碁は特別な手を打つわけではないのにいつの間にか優勢になっているので興味深いです。
そういえば寿石不老は古典のエキスがつまった名著ですね。まだ全部は解けてないですが・・・。
  • 2008⁄12⁄03(水)
  • 16:59

 布石本の良し悪しはライターにもよるかもしれませんね。勝本哲州のころの方が面白いですよ。
  • 2008⁄12⁄08(月)
  • 18:08

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