現代囲碁大系8・9 木谷實/小林光一

現代囲碁大系第8、9巻


講談社/相場一宏
高段者 ☆☆☆☆

 「大豪」木谷実九段の打碁集。弟子の小林光一九段の解説。
 木谷実九段は、呉清源九段との新布石提唱、名人引退碁、鎌倉十番碁など昭和初期の囲碁界の中心となった名棋士である。本因坊戦に三度挑戦して宿願を果たせず、悲運の棋士とも言われる。また後進の育成に力を入れ、大竹英雄、石田芳夫、加藤正夫、武宮正樹、小林光一、趙治勲などを育て、日本囲碁界黄金期の礎を築いた。
 木谷九段の碁は、打碁集、全集などで並べてこそ面白い棋士である。木谷九段は何度も棋風を変えたことで知られる。「怪童丸」と呼ばれた若手の頃は、定石や布石の常識などを無視した徹底的な力戦家。呉清源とともに新布石を提唱すると、今度は極端に位の高い中央志向の碁を打つようになった。新布石の流行が静まると、さらに一転して2線を這うような地に辛く堅牢な石立てと、中盤での強烈な打ち込みで相手を震え上がらせることになる。そして最終的には、均衡の取れた円熟の木谷流が完成する。上下巻50局を並べてその変遷を楽しみたい。

 小林光一九段の解説も、師に敬意をはらいつつも自分の見解もはっきり述べており分かりやすい。
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category
昭和(打碁集)
genre
本・雑誌
theme
棋書書評

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