察元・烈元・因叔/加藤正夫

日本囲碁大系(第6巻)
 

筑摩書房/
高段者 ☆☆☆

 本因坊中興を果たした本因坊察元(名人)、その弟子で準名人にまで進んだ本因坊烈元、そして気骨の棋士服部因叔の碁を収録している。解説は加藤正夫九段。

 この巻の見所は、なんといっても因叔の碁である。
 察元は、碁界の衰微期からの転換点を作ったことで功績は大きいが、幕末の名手に比べればやはり落ちる。烈元にいたっては、安井仙知(仙角、大仙知)の引き立て役という感じで、あまりいいところがない。
 因叔は井上系の外家服部家の祖であり、若い時代は「鬼因徹」の異名を取った部類の力戦家である。その筋骨逞しく戦い抜く碁のたくましさは、中川亀三郎や秀哉などにも通じるところがある。また当時としては長寿を全うした人で、丈和などの後進とも対局しているが、その戦いぶりは歴戦の有の名に恥じないものだ。解説の加藤九段の棋風ともマッチしており、大変並べがいがある。
 因叔は名伯楽であり、因徹の名前を与え服部家の跡取りとした少年を、結局は宗家井上家に送り出す。それが後の幻庵因碩である。そういう意味でも因叔は重要な役割を果たしたといえるだろう。ちなみに幻庵の代わりに服部家を継がした雄節も七段上手にまで進んでいる。
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古典(打碁集)
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棋書書評

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