勝負を決める形勢判断/小林光一
- 2006⁄02⁄09(木)
- 21:42

高段者 ☆☆☆☆
フローラル出版/内藤由起子
形勢判断の仕方が非常に丁寧に書いてあり、この手の書の中でも良書といえる。
形勢判断の中心になるのは目算だが、目算だけで形勢判断ができるわけではない。ときには手割りを用いた方がよい場合もあるし、相殺法がわかりやすい場合もある。また序盤、中盤の目算ともなれば厚薄の加減でどこまで地として数えるかという難しい問題もある。形勢判断の仕方は非常に微妙な問題が多く、それだけに実力が問われるのである。
本書は、「この内容がすべてできたらトッププロです」と断りを入れた上で、小林九段の判断の仕方が非常に丁寧に記述されている。精密な形勢判断を身に付けたいと思っている人には大きな味方になってくれるはずだ。
巻末に題材となった碁の総譜集が収められているのはうれしいところ。この手の試みは結城九段も行っているが、是非棋書のスタンダードになってほしい。
なお目数に関する誤植があり完全とは言いがたい。この手の本の宿命であろうか。もっともたいていの人は、面倒臭いとナナメ読みしているので気がつかないのかも。
スポンサーサイト
Comment
Trackback
http://das53jp.blog38.fc2.com/tb.php/162-13c7e871