我間違うゆえに我あり/王銘エン

我間違えるゆえに我あり   

上級者 ☆☆☆★
毎日コミュニケーションズ/高見亮子

 これだけは伝えたいシリーズ第2巻。
 王銘エン九段の見損じ局を題材に、考えるゆえに間違ってしまうプロの間違いを、高見亮子氏の軽快な筆で面白おかしく書き上げた快著。手どころの話は有段者でないとついていけないかもしれないが、非常に面白く書いてあるので上級者でも楽しめるだろう。(難しい図はナナメ読み)
 人間の考える力というのは単純なものではない。単純に演算する能力ではもはやコンピューターにかなわないものの、何をどう考えるかといった部分の処理ではまだまだ機械を凌ぐ。プロ棋士の能力も、どれだけ読めるかという演算能力だけが偉大なのではなく、何を読みそれをどう判断するかという部分もまた大切である。このことはシリーズ第3巻『読みの地平線』でまじめに取り扱われる。
 本書では、まじめに考えていたのに、いやまじめに考えていたからこそ思考に盲点ができ、それがもとで結果的には悲劇的(喜劇的)大惨事を起きるという過程を面白く描いている。楽しく読めるが案外奥の深い本。銘エン先生は哲学的です。
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読み物/文芸

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