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基本定石の周辺/安斉伸彰



有段者 ☆☆☆☆
日本棋院 榎本弘幸

 月刊『囲碁ワールド』誌上に3年間連載された講座を単行本化したもので、所謂定石後の打ち方をテーマにしている。実戦に頻出の形や変化を丁寧に解説してあり、内容は非常に濃い。まえがきにもある通りかなり高度な内容も含むが、基本の基本からしっかり記述されているので、有段レベル(場合によっては上級レベル)から実践的な即戦力の技術書としておすすめの一冊。薄手で1000円とお手軽な印象とは裏腹に、長く愛読できそうな良書である。

 雑誌連載では白番からの見た目でテーマ図設定されていたのが特徴だったが、単行本では黒番目線に変更されている。丁寧な変化図の作り方、一つ一つの変化図の判断をできるだけ明確に示していて、誠実でよい解説だと思う。

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定石

布石の新常識/蘇耀国



高段者 ☆☆☆★
マイナビ 朴道純

 『定石のマル秘ノート』の続編。最新流行形を紹介する布石本、定石本だが、前作同様どのような理由で旧型が廃り、新手法が出現したかをしっかりフォローしているところが特徴である。最近は目まぐるしく流行形が移り変わるので、一般のアマチュアにとってはその変化が何によってもたらされているかもよく分からないことがほとんどだと思われる。本書のような内容は最新のプロの打碁を理解したい人にとっては必須である。

 今回はかなり多くの型を取り上げ、さらにまさに進化途中のテーマも盛り込んだので、記述の明解さでは前作に劣るように思われる。また平易な説明に心がけて作製されたとも思われるので、難解な部分に関してあえて深く突っ込まずに記述している面があり高段者には不満かもしれない。

 書かれている内容(情報)としては高段者や最新の世界棋戦を鑑賞したいという人向きで、記述のレベルとしては有段者ならば理解しやすく勉強になるといった感じではないかと思う。 

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布石