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石の形集中講義完全版/三村智保



マイナビ/伊瀬英介
上級以上 ☆☆☆☆★

 悪(サカレ、空き三角、2目の頭)、手拍子(不必要なアテやデなど)、ポンヌキの威力、(守りの急所・眼の急所)など様々な角度から石のに関して解説されており、上級以上の人に必携の一冊といえる。増補され完全版の名に恥じぬ内容である。まとめページなど構成の工夫もあり、とても読みやすい。

 の良し悪しはしばらくしないと影響が出ないので、囲碁がわかり始め自分なりに工夫を始めるとかえって形が悪くなってしまうことがある。初歩の初歩であれば教えられたとおり馬鹿みたいに1間トビを連打したりして形としては無難であったのが、いろいろ頑張ろうとして俗筋に陥ることはよくあるもの。我流に染まる前にしっかりとした形の考え方を身につけるべきである。
 形を配慮することの効果は盤上でもじわりとだが確実に出るし、上達の面でも然りである。へぼ3段で頭打ちになるか、筋のよう高段者になれるかは、案外こうした基礎をしっかり学んだかどうかで決まったりする。是非多くの人に読んでもらいたい一冊である。
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category
手筋

黄龍士/薛至誠



清流出版 牛仙仙訳 マイケル・レドモンド監修・解説
高段者 ☆☆☆★

 昨今中国では、中国古典(清代の棋士たち)の再評価が進んでいるようだ。

 黄龍士に限らず、清代の双璧である范西屏、施定庵の評価が日本でいまいちなのは力戦型の棋士であり、大局的な明るさに乏しいからだ。判断力よりも読みの碁であり、日本では前者の方が重要視される。しかし、昨今の中韓の棋士の台頭・隆盛と日本の没落は、読みの力の差であり判断力重視の行き過ぎ(形にこだわり過ぎ)にあると思われ、そういう状況の中で清代棋士の再評価もされやすくなったと言えるだろう。

 互先置石制(タスキ星に打ってから白から着手する)時代の棋譜で、日本の古典とは違った意味で現代とは布石が大分違う。予想通り全局的な明るさを感じる場面は少ないが、読みの力や着手の激しさには素晴らしいものがある。現代中国の碁の祖形は確かにここにあるかもしれない。

 もっともこれを買って並べる人はかなり物好きだとも言えるだろう。 

category
中韓(打碁集)