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常昊対局集-世界超級棋手争覇叢書/封嵩編



成都時代出版社
有段者 ☆☆☆★

〈購入情報〉
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※並べ終わったので感想を加筆しました。
 中国常昊打碁集
 基本的には棋戦の決勝戦を機械的に掲載するという、中韓の打ち碁集によくあるスタイル。全143局収録(全509ページ)。
 1990年の世界アマ(対三浦浩)から2008年末までが掲載されている。従って2009年の春蘭杯は掲載されていない。
 2,3譜に分けて掲載されている。解説は中国語だが、漢字なのでだいたい理解できる。参考図はない。

 棋戦決勝だけを収録する編集スタイルでは常昊は不利かもしれない。李昌鎬に負ける負ける。常昊は必ずしも世界のトップのトップであり続けた棋士ではないので、惜敗棋譜集みたいな感じもあり、並べていてストレスがたまる。それだけに応氏杯を獲得したところで得られる充実感はこの上ないものになるが。
 編集方針にひと工夫ほしい打碁集であった。
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category
中韓(打碁集)

三村流布石の虎の巻/三村智保



マイナビ/伊瀬英介
上級以上 ☆☆☆★

 級位者から低段向けの布石本。
 わかりやすく布石のコツを解説するためにいろいろと工夫されている本だが、そのひとつが攻めの布石とシノギの布石という分類がある。一般にアマチュアは(そして初級者ほど)シノギは苦手なので、攻める立場に立てるかどうかが勝敗を握ると言っても過言ではない。布石として通用する手かどうかというだけでなく、攻めの布石になるかシノギの布石になるかの分かれ目をわかりやすく示した意義は大きい。
 その他「弱い石から動く」原則や「一段落」の判断、そして攻めながら得をするという中盤戦略を含んだ考え方など、多くの人がぶつかりやすい問題や、実践的な知恵をわかりやすく提示している。
category
布石

勝つヨセの絶妙な手順/光永淳造



棋苑図書
有段者 ☆☆☆☆★

 これは超お薦めの一冊である。

 ヨセに関しては「一手の価値」に関して詳細に解説した王銘エンの『ヨセ絶対計算』が画期的であったが、本書はそこでもカバーされていない問題に触れている。

 例えば、両後手6目と逆ヨセ3目はどちらが大きいのかという問題はこれまであまり説明されてこなかった。一手の価値では同じ「3目」と計算されるため、単純に同価値と考えていた人も多いのではないか。本書では後手ヨセと逆ヨセの価値は全く違う種類のものであることが非常に明確に説明されている。詳しい内容は紹介しないが、逆ヨセを打つという行為は、最大の後手ヨセに先着する権利を捨ているということであり、すなわち先着する効力と逆ヨセの効力とが比較の対象なのである。この点が明確に理解できるだけでも、実戦で大いに役に立つはずだ。
 その他最大のヨセを打ち逃した場合何目損をしたことになるのか、先着の効力はどのように考えればよいかなど、今までのヨセ本ではあまり触れられてこなかった部分を、明解且つ簡潔に解説しておりまさしく蒙を啓かれる思いがした。

 構成に関しては、第1章から4章までは「手どまり」「逆ヨセ」「小ヨセ」「何目損」といったトピックに関しての解説(4章以外は問題が3~6問ついている)で、ヨセの教科書といった感じ。第5章は応用問題ということで12問の問題が用意されている。問題はいずれも13路盤を使った全局のヨセ問題である。
 解説は簡単なモデルなど駆使して非常にわかりやすいが、第4章までは解説が多く、内容が内容だけに読者を選ぶかもしれない。第5章の問題は難問が多く、多くの読者が苦しむだろう。高段者でなければ5分ほど考えて、あとは盤に並べながら解説を読むのがいいかもしれない。

 出入り計算、一手の価値などに関してはある程度予備知識がある前提で書かれているので、上記の王銘エン本と合わせて読むのがお薦めである。
category
ヨセ