Entry Navigation

現代囲碁大系32 工藤紀夫高木祥一/工藤紀夫高木祥一



講談社/勝本哲州
有段者 ☆☆☆ 

 工藤紀夫九段の打碁を20局、高木祥一九段の打碁を10局収録している。ライターは工藤九段の師匠筋でもある勝本哲州。

 工藤九段は竹林世代で、その二人と三羽烏(石田加藤武宮)、趙小林といった黄金世代の猛威をもろにかぶったことになる。獲得タイトルは王座と平成に入ってからの天元と数は少ないが、むしろこの世代でひとつでもタイトルを獲得できたことを評価すべきだろう。
 少年時代の工藤九段は力戦・悪力の雄だった。この碁でも影山利郎五段との一戦はその代表作。しかし力戦だけでは壁にぶつかり、手厚く打ち進め終盤に力を発揮する棋風に脱皮して一流棋士の仲間入りをする。その成長の過程が師匠の目から書かれており、興味深い。
 対戦相手は上記の7名が多く、林海峰+木谷門の時代を裏側から眺めているような気分にもなる。

 高木九段は今や解説者としての声望のほうが高いかもしれないが、プロ棋士の中では評価の高い実力派である。棋風がよく出た攻撃的な好局が揃っている。
スポンサーサイト
category
昭和(打碁集)

囲棋天地 20(2011)

Fujisan.co.jpで購読

◎棋譜関係

第16回三星杯16強戦
 大田的秋風(総譜ポイント解説)
  古力VS李昌鎬
  金庭賢VS陳耀
  元晟湊VS李軒豪
  朴永訓VS郭聞潮

 李世石VS孔傑(詳報)

世界囲碁頂上対決 崔哲瀚VS孔傑

第24回中国名人戦挑戦手合3番勝負 孔傑VS李
 第1局、第2局 総譜解説
 第3局 詳報

2011年全国個人戦檀嘯奪冠之路 3,6,7回戦ハイライト解説、8回戦(古霊益戦)詳報

実戦官子鑑賞

◎連載など

 第一感教室34
  坂田妙手録22
 我的嘗試(尹航)
 詰棋新作⑭(孫志剛)
 実戦常形⑮
 計算と評価27

 感想は続きで。
category
雑誌時評

碁の教科書4 攻めの法則/石倉昇



日本囲碁連盟/
上級以上☆☆☆★

・目次
 第1章 強引な打ち込みを粉砕する秘訣
 第2章 三三打ち込みの対策ととがめ方
 第3章 モタレ攻めで優勢を築く方法
 第4章 厚み活用の攻めで圧倒するコツ
 第5章 弱点を突いて主導権を取る要領
 第6章 すぐに使える2間開きの攻め
 
 第4巻からは中盤がテーマになる。
 各章に4~6テーマ図が挙げられ、それぞれに各章に練習問題がついている。
 中盤は多様な問題が含まれる分野で、本巻は攻めにテーマに絞っている。基本的なテクニック(厚み活用、もたれ攻め)を、頻出のパターン(2間開き、三三など)の中でうまくまとめて紹介している。

 ◎碁の教科書シリーズ

 第1巻 布石の打ち方/石倉昇
 第2巻 定石の使い方/石倉昇
 第3巻 序盤の作戦/石倉昇
 第4巻 攻めの法則/石倉昇
 第5巻 サバキの実戦活用法/石倉昇
 第6巻 打ち込みと接近戦/石倉昇
category
講座

現代囲碁名勝負シリーズ12 高川秀格/高川格



講談社/村上明
有段者 ☆☆☆★

 このシリーズは現代囲碁大系の普及版。内容の評価に関しては高川格を参照下さい。現代囲碁大系は上下巻編成なので、収録局は絞ってある。 
category
昭和(打碁集)

現代囲碁大系18・19 高川格/高川格

 

講談社/村上明
有段者 ☆☆☆☆ 

 本因坊9連覇の名棋士高川格九段の打碁集
 高川九段は平明で手厚い石の運びが特徴で、それを支えるのは明るい大局観である。秀栄に私淑していたことは広く知られるが、秀策から秀栄で完成された古典的な棋理を正統的に受け継いだ棋士といえるだろう。

 現代碁の特徴・要素にはコミ、持ち時間、新聞棋戦(タイトル戦)といったことが挙げられるが、高川はそれらに一番早く対応し、方法論を確立した棋士としても重要な位置を占める。昭和の碁を革新した呉清源はコミなし碁の申し子であり、コミ碁ではむしろ苦戦した。その面では高川の方が現代的で、コミ碁の布石法の基礎を確立したのは高川である。また持ち時間のペース配分など、芸道に傾きがちな日本囲碁界にあって、ものごとに現実的合理的なアプローチのできるひとであった。
 また理性的に見える反面で、高川には一代の勝負師としての顔もある。「たぬき」とあだ名されてもいる。現代的な合理的精神と、秘めた勝負への執念が本因坊9連覇の金字塔を打ち立てる原動力となったのであろう。
 
 本書は高川九段の棋風を反映して煩瑣な参考図は少なく、大局的な評が目立つ。ライターの村上明氏の構成がシンプルでわかりやすいことに定評があることとあり、非常にわかりやすい。級位者が基礎を学ぶためにもよい打碁集ではないかと思う。
category
昭和(打碁集)

囲棋天地 19(2011)

Fujisan.co.jpで購読

◎棋譜関係

第13回桐山杯決勝 陳耀VS朴文尭
2011甲級リーグ 李VS古力
第7回中国囲棋争覇戦 周睿羊VS王激
第9回建橋杯準決勝 宋容慧VS張旋

 第36期名人戦7番勝負第1局 山下敬吾VS井山裕太
 第36期碁聖戦5番勝負第5局 坂井秀至VS羽根直樹
 第37期棋聖戦予選 孫VS武宮正樹
 第37期天元戦挑戦者決定戦 王銘エンVS井山裕太

 マインドゲームズ予選 朴延桓VS金志錫
            李映九VS姜東潤
 第5回GSカルテックス杯 曹薫鉉VS李瑟娥
 第55期国手戦挑戦者決定3番勝負第1局 趙漢乗VS元晟湊

◎連載など

 計算と感覚67
 坂田妙手録21
 我的嘗試(尹航)
 名家名手⑧ 古力編
 実戦常形⑭
 計算と評価26

 感想は続きで。
category
雑誌時評

月刊囲碁11月号(2011)




◎棋譜関係
ワールドケンカップ プロアマトーナメント 楊橋アマ(先番)VS河成奉アマ
今月の特選譜 小林覚VS羽根直樹、万波佳奈VS万波奈穂、河野臨VS井山裕太、趙治勲VS金成進アマ、井山裕太VS江維傑、羽根直樹VS山下敬吾、曹大元VS宋容慧、朴永訓VS安亨浚 
名人名局選(福井正明) 秀策の新譜2 安田秀策・葛野忠左衛門VS本因坊秀和・竹川弥三郎
勝負師・坂田栄男(佐々木正) 坂田栄男(先番)VS石田芳夫
院生コーナー 司馬天智VS辻華、津田裕生VS新井満湧
名局細解(付録) 羽根直樹(自戦解説)VS坂井秀至(先番)(第36期碁聖戦五番勝負第5局)

◎講座関係

呉清源 新布石構想
高尾紳路 秀行実戦この一手
坂井秀至 今月のちょっと気になる定石
小林覚 眼からウロコ ザ・手筋
石田芳夫 勝敗はヨセで決まる
大竹英雄 アマの碁 手直し道場
大矢浩一 プロ・アマ置碁問答
高成謙 月替わり講座 中盤の要所
詰碁ダイハードⅠ(工藤範夫)、Ⅱ(林漢傑)、Ⅲ(石榑郁郎

 感想は続きで。
category
雑誌時評

スモール中国流布石徹底ガイド/河野臨




毎日コミュニケーションズ/朴道純
有段者 ☆☆☆☆

 スモール中国流とは、河野臨九段が打ちだして流行した中国流より一路狭くヒラく布石のこと。ベトナム流とかいろいろな呼称があるが、いまいち安定しない型である。スモール中国流で定着するかどうかが注目される。

 この手の本に関しては、河野臨九段は結城聡九段とならんでもっとも信頼のおける棋士であろう。スモール中国流とミニスモール中国流の主だった変化について網羅的に紹介しており、解説も明確で良書と思う。研究が行き届き、結論をしっかり示すのは師匠譲りか。参考譜も含めて情報の質量ともに満足のいく内容で、非常に役立つ一冊といえそうだ。
 わかりやすくするために「まとめ」のページを設ける工夫はもはや定番となりつつある。まとめページのために情報量が減ったきらいはあるが、わかりやすくするためには仕方のないことであろう。

category
布石