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現代花形棋士名局選3 大竹英雄/大竹英雄




日本棋院/相場一宏
有段者 ☆☆★

 昭和50年末に刊行されたもの。現代花形棋士名局選はよい打碁集シリーズの一つと思うが、この大竹英雄の巻に関しては選局などを含めあまり評価しない。大竹の打碁集ならば他にもよいものがあろう。(『大竹英雄打碁選集』『厚みの美学』など)

 それにつけても大竹の晩成ぶりだ。本書を刊行した50年末にやっと名人位にたどりついている。選局に難と言ったが、大竹の本領はこの後発揮されたと言ってよく、この時期の選局としては仕方がないのであろう。早熟であった弟弟子石田芳夫は既に全盛期を終えようとしており、「代表作」は出揃っていた観があるのとは対照的である。

 
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昭和(打碁集)

囲棋天地 06(2011)

Fujisan.co.jpで購読

◎棋譜関係

 第15回LG杯決勝3番勝負第2局 孔傑VS朴文尭(自戦解説)
 第25期天元戦挑戦者決定戦 兪斌VS周賀璽
 第2期女子名人戦決勝 陳一鳴VSVS李赫
 第3回BCカード杯32強戦 李世石VS孫力(自戦解説)
 第11期リコー杯準決勝 檀嘯VS胡耀宇 李VS王雷(要点解説)


◎連載など

 漫遊古譜(王元) 施襄夏、范西屏
 坂田妙手録⑧
 我的嘗試(尹航)
 詰棋新作(孫志剛)
 実戦常形①
 計算と評価
 古代棋風的変遷・元明(安永一)
 韓国棋戦変遷史(下)
  

 今月はLG杯決勝の手所の解説が濃い。濃すぎる。
 天元戦の挑決も難解な碁。兪斌が未だに活躍しているのはびっくりだ。

 新シリーズの「実戦常形」は実用的な内容。短い紙巾にうまくまとまっている。
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雑誌時評

現代囲碁大系20・21 藤沢朋斎/藤沢朋斎

 

講談社/島道雄
有段者 ☆☆★

 藤沢朋斎は、囲碁史上最大の引き立て役である。
 幼いころから嘱望され秀哉にもかわいがられた。日本棋院初期の院生であり、大手合制度初の九段にもなった。しかしそうした栄光は、呉清源の勝利にささげられるものだった。時代の覇者となることを期待された大才は呉清源との十番碁で敗れた棋士として人の記憶に残ることになった。
 この現代囲碁大系でも2巻にわたって取り上げられていることを見てもわかる通りその評価は低くないが、朋斎の囲碁人生には常に敗北の影が差す。日本棋院復帰後、王座や十段等のタイトルを獲得しトップ棋士として活躍し、普通に考えれば華やかなトップ棋士としての活躍だが、それも何かむなしく見えるほどである。

 藤沢朋斎の碁の骨格は正確な読みにあり、手厚く構え中盤以降その力を発揮する。攻めに回ってもしのぎに回っても手どころの強靭さを感じる碁である。大手合時代、コミなし時代の伝統的系譜に属する碁で、古いタイプの碁打ちであったと言えるだろう。ある種過剰な力があるために、無用に難しい道を選ぶようなところがあり、そういう意味では木谷実と似ていなくもない。

 また、朋斎と言えばマネ碁で有名である。依田紀基九段は、朋斎のマネ碁を批判しているが、確かに碁の創造性を否定する部分があるし、何より並べていて苦痛を感じる。ただ、マネ碁が流行らないのは、マネ碁がさほど得な戦法ではないからでもある。称賛されることのないマネ碁にこだわりを持って取り組み続けたことは、棋歴と合わせて何か屈折したものを感じさせる。 
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昭和(打碁集)

横田茂昭のこの厚みは星なんぼ?/横田茂昭



NHK出版/伊瀬英介
上級以上 ☆☆☆☆

 NHK囲碁講座として半年間連載・放送されたものをまとめたもの。

 本書は文字通り「厚み」をテーマにしているが、最大の特徴は厚みの強さを「星1つ」から「星4つ」までに分類し、その段階によって打ち方が変わることを明示したことにある。
 「厚みに近寄るな」「厚みを囲うな」「厚みは戦いに活かせ」。そういった厚みに関する棋理は昔から紹介されているが、一般的にアマチュアがなかなかそのコツをつかめないのは「厚み」を画一的に見てしまっていることにあるというのが著者の問題意識なのであろう。確かにさほど威張れぬ厚みだったら囲う(守る)のが好手になるが、「厚みを囲うな」という格言だけを学んだアマには原則違反に見えてしまう、ということもありうる。
 本書では、厚みにもいろいろある、場合によって打ち方を変えねばならない、ということは繰り返し強調される。その上で厚みの棋理の基本が丁寧に説かれている。厚みにまつわるアマの誤解を解く良書である。
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講座

囲棋天地 05(2011)

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◎棋譜関係

 孔傑VS崔哲瀚(第12回農心杯第13戦)解説周睿羊
 柁嘉熹VS李(第11回リコー杯16強戦)李自戦解説

第3回BCカード杯(解説王磊)
 周賀璽VS陳東奎
 李相勲VS周睿羊
 李映九VS常昊  

 兪斌VS張立(第25回天元戦16強戦)

 李泰賢VS崔哲瀚(第15期韓国天元戦挑戦手合5番勝負第3局)
 李昌鎬VS崔哲瀚(第54期韓国国手戦挑戦手合5番勝負第4局) 

 ということで、今月は崔哲瀚特集みたいになっている。「36問」(1ページの質問コーナー。毎回色々な棋士が登場する)も崔哲瀚。

 
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雑誌時評

官子譜/呉清源解説

   

平凡社
高段者 ☆☆☆☆

 官子譜(かんずふ)は玄玄碁経と並び称される中国の古典問題集。明代の過百齢によって編まれ、清代の陶式玉の注によって現在の形になった。玄玄碁経の問題も多数含まれるが、より広範な手筋を扱っている。官子はヨセの意であり、詰めもの以外にも地中の手段やヨセを問う図も多く、単純に詰碁集とは言えない。ここでは便宜上詰碁に分類した。

 官子譜は様々な形で出版されているが、この東洋文庫版はそれを網羅し原図に忠実なことでは随一であると思われる。解説図も呉清源九段の研究なので信頼性は高い。全4巻であるが、せっかく官子譜をなら東洋文庫版を購入することをお勧めする。

 本書では、問題図に一切のヒントがない。詰碁と言えるもの(全体が死やコウになる)ばかりではなく、半分取れたりセキになったり(ヨセの手段として有効)するものも多い。また原図に不備があってもあえて訂正せずに掲載し、解説図でそれを指摘するという形を取っている。テクスト重視で学術的な態度を取った一冊と言えるが、その態度は問題集としてはどうしても不向きである。手軽に官子譜を楽しみたいのなら良門を抜粋し不備を訂正したものを買い求めるのがよいだろう。
 ただ逆にいえばそのような本書の問題集としての欠陥は、本当の意味で読みの訓練をしたい人にとっては最高の環境を与えてくれるものだろう。詰碁は詰碁であるということが最大のヒントになってしまうわけで、その意味では実戦的ではない。実戦的な緊張感を持って図と対峙できる本である。本書を手にとるひとはかなり限られるように思われる。
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詰碁集

月刊囲碁4月号(2011)



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◎棋譜関係
ワールドケンカップ プロアマトーナメント 井場悠史(先番)VS安斎伸彰六段
今月の特選譜 高尾紳路VS王銘エン、山下道吾VS井山裕太、奥田あやVS向井千安瑛、平田博則VS趙錫彬、井山裕太VS羽根直樹、坂井秀至VS張栩、唐奕VS馬春暁、李昌鎬VS崔哲瀚
名人名局選(福井正明) 秀栄の1 田中政喜(2子)VS本因坊秀栄、大沢銀次郎(先二子二子番)VS本因坊秀栄
勝負師・坂田栄男(佐々木正) 林海峰八段(先番)VS本因坊栄寿名人
院生コーナー 横塚力VS本木克也、津田裕生VS及川泰司
名局細解(付録) 山下道吾(先番、自戦解説)VS古力(アジア大会)

◎講座関係

呉清源 新布石構想
高尾紳路 秀行実戦この一手
坂井秀至 今月のちょっと気になる定石
小林覚 眼からウロコ ザ・手筋
石田芳夫 勝敗はヨセで決まる
大竹英雄 アマの碁 手直し道場
大矢浩一 プロ・アマ置碁問答
高成謙 月替わり講座 セキとナカデの判別Ⅲ
詰碁ダイハードⅠ(工藤範夫)、Ⅱ(林漢傑)、Ⅲ(石榑郁郎)

 ケンカップに安斎六段が登場。各棋戦本戦に進出して活躍する気鋭の棋士としては優勝しかない(少なくともアマには負けられない)というプレッシャーがかかると思われるが、そこでどんな碁を見せてくれるか楽しみである。今月で1回戦がすべて終了し、来月から2回戦となる。

 特選譜の唐奕VS馬春暁は必見。唐奕は中国の若手女流棋士だが、かつてのナンバーワン馬暁春に果敢なしのぎ勝負を演じている。高尾紳路VS王銘エンに関してはたかお日記の解説を参照のこと。

 石田九段のヨセ講座の問題は大変参考になる。詰碁というのは手になると決まっていることで読みの範囲を絞れる意味があるが、薄みを抱えた石をヨセるとなるとぐっと手が広くなり難しくなる。この手の問題は『官子譜』などで多く取り上げられているが、詰碁よりもより実戦的な難しさがあるといえる。この類のヨセ問題集(ヨリツキ問題集)はまだまだ未開拓である。
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雑誌時評

現代囲碁大系28 山部俊郎/山部俊郎




講談社/堀田護
有段者 ☆☆☆★

 現代囲碁大系第28巻。
 山部俊郎については『変幻山部俊郎』が最優良打碁集だが、この本も侮れない。ライターは同じく堀田護なので出来栄えは近く、芸の探求シリーズのほうが凝った編集方針の分面白いという程度。この現代囲碁大系版はけれん味のない正統的な編集。

 山部俊郎はその才は折り紙つきだったが、ついにタイトル獲得はならなかった悲劇の棋士でもある。実はタイトルはおろか、決勝や番碁での勝利さえほとんどないので、勝負師としては何か決定的な欠陥があったのかもしれない。
 変幻山部と現代囲碁大系は当然重複局もあるが、その数は意外に少ない。それはある意味山部俊郎の傑作は必ずしも檜舞台の上で作られたものではなく、どちらかというと玄人筋だけがその凄さを知っているようなタイプの棋士なのである。また敗局の掲載も多く、幻の名局が多い山部らしい。 

 山部俊郎の碁は、碁の世界の無限、夢幻を見せてくれる。一般アマの規範となるような碁ではないが、碁の魔力を垣間見せる山部俊郎の棋譜は次代に伝えるべきものであると思う。
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昭和(打碁集)
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