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囲碁界の母・喜多文子/中山典之



日本棋院
囲碁ファン ☆☆☆☆★

 女流棋士の草分け喜多文子と女流棋士の歴史をまとめた一冊。
 明治大正昭和というのは、江戸時代の家元制度が崩壊したあと、そこから日本棋院が成立するまで、「棋士」という職業が社会に認められるための戦いの歴史でもあった。ましてや女流棋士となると、なおさら困難な道であった。ネタばれになるので深く追及しないが、喜多文子は女流のみならず「囲碁界の母」としても大きな構成を残した。

 非常に感動的な1冊なので、ぜひ読んでいただきたい一冊である。
 日本棋院も、入段した棋士に棋院の歴史をしっかり教育すべきだと思う。
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category
読み物/文芸

囲碁ルールの研究/関口晴利



文芸社
ルールマニア ☆☆☆☆

 普通の人はあまりご縁のない本。
 文字通り、囲碁のルールの研究であり、歴史的な背景、中国ルールと日本ルールの比較、囲碁規約と囲碁規約試案と体系的な大研究である。中国ルールを紹介している本はあまりないので、貴重である。手入れ問題が生ずる珍形や、中国ルールと日本ルールで勝敗がひっくり返る場合など、問題となるレアケースも紹介されおり、興味がある人はどうぞ。

 小さいコラムが沢山挿入されており、それはなかなかおもしろかった。

category
ルール

アマの知らない定石/安倍吉輝



毎日コミュニケーションズ/
有段者 ☆☆☆☆

 この手の本を書かせたらおそらく日本一の安倍九段だけに、非常に面白い手が満載で楽しい一冊。実戦例もしっかり掲載されているところがよい。手軽に手に入る本なので持っていて損はない。
category
定石

アマの知らない布石/安倍吉輝



毎日コミュニケーションズ/朴道純
有段者 ☆☆☆

 安倍九段らしく、古今の珍布石を広く収集してまとめている。新布石や山下啓吾の初手天元、武宮宇宙流萌芽の一局などエポックメーキングな碁はほぼすべて押さえられている。
 いろいろな布石が紹介されていて面白いのだが、多くの例を取りこんでいるのでひとつひとつの解説は詳細とは言いがたい。この本を読んで変則布石をマスターとはいかないだろう。本書でユニークな発想とその後の基本構想を取り入れ、そのあとの打ちまわしは実戦で試して自分で工夫するということになる。
 好意的にとらえれば、本書副題にもある通り、あくまでも「発想転換」のきっかけを与えるために、余白を残した解説の仕方をしたということになるだろう。

 自分の碁が煮詰まって、何か新鮮な刺激がほしい人には面白い一冊かもしれない。
category
布石

置碁―白の作戦/藤沢秀行



山海堂/相場一宏
有段者 ☆☆☆★

 これはずいぶん古い本だが、再版もされているので案外手に入りやすいだろう。
 置碁を白の立場から考えたほんで、第1章は古典の置碁白の名局、第2章はまぎれの手段紹介、第3章は実戦解説となってる。
 下手にただ勝てばいいという置碁ではなく、できうる限り理にかなった打ち方をしたいという人にお薦めである。そういう心持で対局すれば、下手相手の碁でも上達する機会は多くなるだろう。置かせたときには無理は付き物だが、それがやみくもな無茶か、工夫をこらした趣向かは大きな差である。

 本書の最大の見所は第2章。ハメ手ほど無理ではない変化球の数々が紹介されており、非常に面白い。ありふれた定石・定型の周辺にいろいろな複雑な変化が潜んでいることがわかるので、置碁という分野に限らず勉強になる。
category
置碁