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【特別企画】初段以後のテキスト2

(2) 棋譜・布石

 棋譜並べは野球で言うと素振りの様なもので、詰碁とならんで囲碁の2大基礎練習である。
 一般的に年齢・棋力が低いほど詰碁の割合を増やした方がいいが、棋譜並べも早めから親しんでおくにこしたことはない。またある程度棋力や知力が成熟してくれば、棋譜並べは非常に楽しいものでもある。

 基本布石事典【上下】/依田紀基

 本書のまえがきにもあるように、まずはプロの棋譜の序盤40~50手を並べることが大事である。すべて並べるのは立派なことだが、負荷が大きすぎると続かなかったり、集中力が落ちて吸収が悪くなる逆効果も。無理をしないことだ。
 この本は模範布石例、類似のプロの実戦例ともに50手程度に収まり、しかも譜分けしてあるので並べやすい。毎日1局などと決めて取り組むとよいと思う。

 たまに一度並べさせた後に本を閉じて並べ返せるかテストするとよい。石の姿が見えるようになると、一度並べただけでもすらすら並べ返せるものである。

 囲碁雑誌
 例)


 囲碁年鑑
 例)韓国囲碁年鑑2007/国際囲碁大学

 囲碁雑誌は、棋譜に限らず情報源なので、気に入ったものを一種類ぐらいは定期購読するとよい。雑誌にはタイトル戦など棋譜解説があり、終局まで掲載されているのでよい教材になる。

 毎年日本棋院から出版されている囲碁年鑑や、最近は翻訳版の出ている韓国囲碁年鑑は、本格的に棋譜並べするためにの基礎教材となる。300局程度は収録されておりボリュームは十分。

 取り組む目安としては、上記の布石事典の並べ返しがすらすらいくこと、高段者に手が届く(高段者になりたいという意欲がある)こと。雑誌の方が譜分けされ見やすいので、雑誌で終局まで並べるのに慣れてから年鑑系にすすむのがよいか。


 打碁集

 棋譜並べを効果的に行う方法として、特定の棋士を集中して並べるという方法がある。一流棋士にはそれぞれ独自の囲碁観があり、続け並べてみて初めて感じとれるところもあるからだ。
 どんな棋士を並べるのがいいかといわれれば、ずばり「好きな棋士」だろう。あこがれを持ってならべると吸収力がちがう。

 普段少しずつ棋譜並べしていると好きな棋士、興味のある棋士がでてくるもの。そうしたらその棋士の打碁集を探してみるといい。
 
 
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お薦め

現代囲碁大系13 関山利一 半田道玄/関山利夫 小山靖男

 現代囲碁体系第13巻。
 残念ながら商品リンクなし。

講談社/山下智道 斎藤謙明
有段者 ☆☆☆ 

 タイトル制の初代本因坊関山利一と哲人棋士半田道玄を取り上げている。

 関山利一は短命だったこともあり、その存在を忘れられがちな悲運の名棋士である。初代本因坊はけしてフロックではなく、戦前の主戦場である大手合では好成績を残している。木谷呉清源に比べると地味であり、損をしている意味がある。
 ほとんどをコミなしの碁で戦った関山の碁は、江戸時代から明治大正昭和初期と練り上げられてきたコミなし碁の最終形ともいえる。本手で押す本格派であり、格調の高い碁である。現代的なスピード感、激しさとは一線を画すが、鑑賞すべき碁である。また白番の布石は、独自の広さをもっており味わいがある。

 半田道玄は不思議な棋士で、その思索はもはや勝負師のそれではなく、哲学者の様だ。半田道玄関連の書籍はもはや少ないので、非常に貴重である。その思想を伝えるものしてはて『形勢判断と大局観』のほうが勝るだろう。現に、この打碁集の一部でも取り上げられている。

 関山半田という、歴史に埋もれかけた名棋士をセットで取り上げたこの巻は貴重である。
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昭和(打碁集)

わが天才棋士井山裕太/石井邦生



集英社
囲碁ファン ☆☆☆☆

 名人獲得直前に出版するという、ものすごいタイミングではなたれた強打の一冊。

 名人を最年少で獲得して注目されている天才棋士井山裕太のあゆみを、師匠石井邦生九段が振り返った一冊。巻末に井山裕太九段とほったゆみの対談も収録されている。井山裕太のこれまでの主要な棋譜も解説付きで収録されているので、井山裕太の囲碁そのものに興味ある人も注目である。

 井山裕太少年との出会い、インターネットを使った異例の指導方法、入段やタイトル獲得までの軌跡などが語られている。自ら親ばかならぬ師匠ばかと称するが、その通りかもしれないと納得できてしまう部分もある。読んだ後に心温まる一冊である。

 石井九段のスタンスは、何かを教えるというよりも見守るという要素が大きいように見えるが、案外教えるということはそういうことなのかもしれないと考えさせられた。指導者が何かを教えたという自己満足のための指導に陥るのは禁物だし、「見守る」ということは見た目以上に労力のいることだ。

 また入段碁の指導碁(互先)では負けがこみ、ついに20連敗するという挿話があるのだが、そこまで負けが込んでも対局を止めなかった根性に驚いた。優しい師匠のすさまじい気迫を感じるエピソードである。棋士はどんな状態でも対局からは逃げられない、逃げてはいけないということを身をもって示したのかも知れない。
  
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読み物/文芸

【特別企画】初段以後のテキスト1

 以前、「【特別企画】初段までの最短距離テキストを考えよう」という記事を書いたことがある。そこに「初段のこどもがいるので参考にしています、できたら初段以後の参考書も教えてください」というようなコメントをいただいた。私の記事が少しは役立っているようなので大変うれしい。

 初段以後のテキストですが、これは基本的にはなんでもありなのです。初段というのは碁打ちとしてそれなりの力がついたということ。例えば本の難易度も、初段ならばある程度自分で判断できるようになっているはず。また自分に何が必要かとか、なにを知りたいとか具体的な動機も自分の中にあるはず。人に強制されるのではなく、自分で面白そうだと思ったものをどんどん読めばいいのです。

 ただしこれは大人の話。
 今回はお子さんということなので、外れのない基本書をいくつか紹介したい。分野ごと何回かに分けて紹介したいと思う。

(1)詰碁・死活

 なんといっても読みの力は大事だし、こどものころに一番伸びる分野でもある。簡単な問題を数多く解かせるのが大事。

 山田の詰碁Ⅰ 基本の詰碁/山田規三生
 山田の詰碁Ⅱ 高速攻めの詰碁/山田規三生
 山田の詰碁Ⅲ 三段突破の詰碁/山田規三生
 六段挑戦の詰碁/石榑郁郎
 基本詰碁123/石榑郁郎

 基本死活事典(上・下)/趙治勲

 基本詰碁としては上の5冊。特に山田九段の3部作は特にお薦めである。この5冊に共通するのは、基本の手筋を豊富に含み、比較的シンプルな問題ということである。とりあえず山田の詰碁Ⅰから取り組むのがいいだろう。石榑先生の本は、実は「基本」のほうが「六段挑戦」よりも難しいので、買う順番に注意。

 趙治勲の基本死活辞典は、とりあえず上巻がお薦め。基本死活が網羅されている。実はこれ1冊でも充分高段者になれるが、事典なだけにボリュームもあり、これを端から端まで勉強するのは結構ストイックなことだ。資料として持たせておいて損のない一冊だが、普段の勉強用には、上の5冊のほうが気楽に取り組めるだろう。
 下巻は古典有名詰碁集だが、これは高段者になってからで十分。

 取り組ませて、あまりにも解けないようなら無理に取り組ませるのは禁物。いずれ力がつけば出来るようになるので、もう少し優しいものを探して買い与えて時期を待つのが得策です。
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お薦め

王銘エン

 エンは王偏に宛。
 本因坊、王座などを獲得した一流棋士。若いころから嘱望されたが、タイトルを手にしたのは比較的遅かった。力強い棋風だが、銘エンワールドと呼ばれる中央志向の序盤構想に特徴がある。
 非常に知的でユーモアもある棋士で、テレビ解説などでも人気がある。著作も独自の視点をもった名作が多い。

○著作リスト

 銘エン流石の動き「広い方から押し込む」/王銘エン
 ヨセ・絶対計算/王銘エン
 我間違うゆえに我あり/王銘エン
 読みの地平線/王銘エン
 王銘エンの囲碁ミステリーツアー/王銘エン
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棋士・観戦記者

岩本薫

 本因坊薫和。昭和の名棋士で、豆まき碁の異名をとった。盤上に石をばらまくことからその名がついたが、その芸は一見軽妙に見えてすさまじい豪力を秘めている。坂田栄男も「岩本さんの攻めはかわせない」と評したほどだ。原爆対局を経験したことでも有名。

 古棋譜収集にも力を入れたことで知られる。また私財を投じて囲碁の世界普及に尽力したことも高く評価されている。対局(現在)だけでなく、囲碁界の過去(歴史、古棋譜)、未来(海外普及)でも偉大な業績を残した賢人棋士だったといえる。

○著作リスト

 岩本薫/岩本薫
 昭和名棋士集一、二/岩本薫

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棋士・観戦記者

課題

 ここ数日、何回もコメントを下さっている方がいる。ありがとうございます。隠しコメントなので管理人の私しか読めないのが残念な感じです。

 その方のお薦めの2冊が、島村先生の「棄て石の魔術」とこれ。私は両方とも読んだことがない。



 いずれも面白そうな本なので、購入予定リストに入れようかと思う。

 また、



 これも面白いそうだ。

 行為情報は大歓迎ですので、今後ともよろしくお願いします。
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お知らせ

【整理用】棋士別インデックス

 棋士別のインデックスです。50音順。定期的に更新。


 安部吉輝
 淡路修三


 イチャンホ(李昌鎬)
 石倉昇
 石榑郁郎
 石田章
 石田芳夫
 井上因碩(幻庵)
 井上因碩(道節)
 岩本薫


 梅沢由香里
 牛窪義高
 



 大枝雄介
 大竹英雄
 王銘エン
 王立誠
 大矢浩一


 郭求真
 梶原武雄
 片岡聡
 加田克司
 加藤正夫
 加納嘉徳
 上村邦夫


 木谷実


 工藤紀夫
 窪内秀知




 小島高穂
 呉清源
 小林覚
 小林光一
 小松英樹


 酒井猛
 坂井秀至
 榊原章二
 坂田栄男
 佐藤直男


 島村俊広
 聶衛平


 杉内雅男
 鈴木為二郎


 ゼイノイ
 関山利一
 瀬越憲作


 曹薫絃⇒チョウ・フニョン
 苑田勇一


 高尾紳路
 高木祥一
 武宮正樹


 張栩
 趙治勲
 チョウフニョン


 土田正光














 

 馬暁春
 橋本宇太郎
 橋本昌二
 羽根直樹
 羽根泰正
 半田道玄




 福井正明
 藤沢秀行




 本因坊元丈
 本因坊秀栄
 本因坊秀哉
 本因坊(跡目)秀策
 本因坊秀甫
 本因坊秀和
 本因坊丈和
 本因坊道策


 前田陳爾


 三村智保
 宮沢吾朗
 宮下秀洋








 安井仙知(知得)
 矢田直己
 山下敬吾
 山城宏
 山田規三生


 結城聡


 依田紀基




 林海峰






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索引など