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碁は戦略/牛窪義高



毎日コミュニケーションズ/
上級以上 ☆☆☆☆★

 月刊碁学から出版されたものの復刻再版。
 囲碁の上達には一に読み、二に棋理と指摘する著者。よみは自分で努力するものとして、学べば比較的早く吸収できる棋理の重要な要素をまとめたのがこの1冊ということになりそうだ。
 紹介されているのは基本も基本の考え方だが、基本であるだけにどんなに強くなってもおろそかにはできない重要なテーマを取り上げている。また導入部のテーマ図から、プロの実戦例まで例示が豊富で解説が丁寧なので、わかりやすく面白い。

 この手の本だと巷では『依田ノート』の評判がよいが、個人的には本書の方がお薦めである。編集方針の違いかもしれないが、万事簡潔にあっさり記述される『依田ノート』よりも、本書の方が著者のこだわりや意気込みが感じられて愛着を感じる。

 残念なのは文庫版なので図のレイアウトが苦しんでおり、読みづらい部分もあること。再販という厳しい条件下では仕方なかったのだろうが、もう少し余裕のあるサイズで出版できたらなおよかっただろう。
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講座

安倍吉輝

 10月25日、安倍吉輝九段が逝去された。研究熱心で著作などでアマを楽しませた先生でした。安らかにお休みください。
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 棋院への通勤定期を所持しているという勤勉棋士。文筆面では、その情報量を生かして新手やトレンドなどをアマチュアに紹介する役目を果たす。アベちゃんなどと呼ばれ、親しみやすいキャラとして定着している。

 安倍吉輝―日本棋院プロフィール
 安倍吉輝 - Wikipedia

○著作リスト

 囲碁 新手・新型年鑑/安倍吉輝
  http://das53jp.blog38.fc2.com/blog-entry-302.html

 英傑幻庵因碩/安倍吉輝
  http://das53jp.blog38.fc2.com/blog-entry-85.html
 
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棋士・観戦記者

道的・道節・道知 元禄三名人打碁集/福井正明



誠文堂新光社/田中宏道
棋譜並べマニア ☆☆☆

 『古名人全集』に続き、マニアックな一冊。何冊売れるのだろうか?

 史上最高の神童といわれる小川道的(道策跡目)、『発揚論』を著した「名人因碩」道節、孤高の名人本因坊道知の3人を取り上げている。時代的に連続はしているが、3人を「元禄三名人」とまとめるのはやや無理気味で、苦肉の策だったか。元禄三名人というのはこの本でつけた愛称で、この3人が歴史的にそういう風に呼ばれてきたわけではない。

 古碁を並べて育ち、古碁が大好きな私だが、道策及び幕末の隆盛期(元丈知得以降)以外の江戸古碁というのはやはり「趣味の世界」である。この本も囲碁史が好き、昔の名棋士に興味がある、古碁の雰囲気だ楽しいという人でないとなかなか楽しめないかもしれない。

 個人的には、棋士の個人全集を並べるときは物語性を重視している(棋譜を並べながらその棋士の人生を追う)ので、この本はちょっと不満。まず道的は夭逝したこともあり、棋譜が少なすぎ伝記も少ない。また道知は、肝心の全盛期・後半生は御城碁暗黒時代であり、また道知が強すぎて争碁も行われていない。勝負らしい勝負がなく物語性に乏しい。
 唯一面白い要素が多いのが道節。道策五弟子で最高齢というのは要するに晩成の弟弟子ということで、実力はありながら本因坊の後継者には選ばれず、外に出される。しかも名人にならないよう念を押されて道知の養育を引き受けさせられるなど、ちょっと同情したいような扱い受けているが、一方でなりゆきとはいえ結局名人の座に就き、そこに居座ってしまうなどなかなか食えない人物だ。ただ、なにぶん古い時代でもあり晩成の人だったので、不明な点も多い。

 『古名人全集』ほどではないにしても、これを購入した人はかなりの好事家だろう。
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古典(打碁集)

名人・名局選 大仙知/福井正明



誠文堂新光社/相場一宏
有段者 ☆☆☆

 名人名局選の第4段は、意外なことに大仙知だった。これはうれしい誤算。

 大仙知は、日本の伝統的な碁からは異端となる棋士である。何をもって日本の碁というかは曖昧だが、秀策の黒番と秀栄の白番が基本の基本だと思っておけば大きなはずれは無い。深い読みと明るい大局観に裏打ちされた「(不必要に)戦わずして勝つ」ような碁が理想とされてきたし、よいとされてきた。
 大仙知はその対極にいるとも言える。非常に位が高く、好戦的。ときには無理気味とも見える仕掛けがあるが、しかしそこには意表を突くような発想の柔軟さと驚異的な読みの力が内蔵されており、その棋譜は掛け値なしに面白い。また、最近の碁の激しさ(中韓の碁)に慣れた現代の目からは、むしろ大仙知の様な碁が江戸古碁にあったことに驚きを感じたり、新鮮さを感じたりするのではないだろうか。

 大仙知を打碁集で取り上げるのは日本囲碁体系以来のことで、非常に希少価値もある。秀策、秀栄の様なすました名局は嫌いだという人には、逆にお薦めかもしれない。
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古典(打碁集)
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