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山城宏の置碁戦術 序盤50手の必勝法/山城宏



NHK出版/
上級以上 ☆☆☆

 昔のNHK講座。
 置碁戦術の本だが、内容的にはかなり斬新な内容。辺の石を見捨てて逃げ切り勝ちを目指すという作戦は、初めて見たとき非常に衝撃的だった。


 置碁といえども緩まず戦うということが大事だと教えられてきたので否定的な評価をしてきた一冊なのだが、最近は少し考え方が変わってきた。

 囲碁には棋理があり、弱くもない石を捨てたり、相手の石が弱いのに消極的なのは棋理に反する。相手が上手といえども、戦うべきとこでは戦うのが上達への道だ。極端な逃げ切り作戦などでその1局を勝っても、上達にはつながらない。そう考えてきた。
 しかしながら、置碁も勝負であり、ゲームである。勝つ作戦がよい作戦なのだし、目の前の一局の勝敗に一喜一憂して楽しむのが趣味の碁だ。そういう意味で固定観念にとらわれず、柔軟に勝利を目指す本書の内容は、日頃碁席などで置碁をたくさん打っている人にとっては非常に役に立つし面白いと思う。まともに行って毎回上手の餌食にされている人は読んでみるとよいと思う。

 また、弱くもない石を捨てるのは棋理に反すると書いたが、形勢判断に基づいて無理のない打ち方をするのもまた棋理にかなった行為でもある。部分の最強を目指して勝ちへの最短コースを逃すこともよくある。上達を目指すのなら最強の打ち方を目指すのが良いとは思うが、形勢判断に基づいた柔軟さを身につけるのも勝つには大事な要素である。
 
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category
置碁

キリの技法/趙治勲

キリの技法  

有段者 ☆☆☆★
河出書房新社/

 キリという一つの手筋を切り口にして解説したユニークな本。姉妹編の『ツケの技法』や『コウの技法』『シマリの技法』などとともに面白いシリーズとなっている。
 題材になっているのは趙九段の実戦棋譜と古碁である。特に断りはないが、マニアにはぴんと来る有名局が多い。趙九段は小太刀の冴えで有名な棋士だけに、題材となっている棋譜もキリという手筋の魅力を充分に伝えてくれる面白いものが多い。
category
手筋