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名人・名局選 秀和/福井正明



誠文堂新光社/相場一宏
有段者 ☆☆☆

 シリーズ第2作。囲碁四哲の筆頭、本因坊秀和を取り上げる。詳解10局。参考譜35局を収録。
 幻庵との死闘や弟弟子(途中からは弟子)秀策との名局など、江戸碁屈指の名局が多い。またそのためにほかの打碁集で取り上げられた棋譜も多い。解説は丁寧でわかりやすいので、その点ではお薦めできる。
 秀和は江戸幕府の崩壊もあって名人になれず、弟子秀策に先立たれ、晩年はやや不幸であった。しかし打碁集を見るに、棋士としては非常に幸福な人であったように思える。丈和、幻庵、俊哲、仙得、雄三、松和、節山、秀策、秀甫と先輩から後輩まで名棋士に囲まれ、多くの棋譜を残し、しかも誰にも後れをとっていない。幕末碁界の繁栄の中心にいたのは秀和である。

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古典(打碁集)

名人・名局選 丈和/福井正明



誠文堂新光社/相場一宏
有段者 ☆☆☆

 シリーズ3冊目。後聖本因坊丈和を取り上げる。詳解10局、参考譜31局を収録。
 このシリーズは、先行する打碁集とのかぶりは避けられないが、長坂猪之助戦、師である元丈戦、兄弟子智策戦など、比較的紹介されていない者に力を入れた節がある。例えば猪之助戦だと壁を丸ごと捨てて快勝した碁が有名だが、あえてほかの碁を選んでいる。
 局面を簡明化してしまう秀策などに比べ、難解な戦いを正面から戦っていくような丈和の碁は並べていて難解に映る。混沌とした局面から必ず勝利を引き寄せる「力」に魅力がある。

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古典(打碁集)