Entry Navigation

白番布石の徹底解明/小林光一



毎日コミュニケーションズ/
有段者 ☆☆☆★

 前書きにもある通り、白番に打ち方に焦点を当てた珍しい布石教本。対三連星、対中国流、対小林流、対新小林流、対ミニ中国流と、その他の布石に分類し、実践例をもとに解説している。その他の部分を、平行型、タスキ型、大上段布石と3分類しているので全8章で構成される。題材は小林光一九段のものが多いが、中には光一九段が黒番でうまくやられた(小林流、対趙治勲)ものや、他のトップ棋士の打碁からも取材している。収録譜のうち5局だけ巻末に総譜が掲載されている。

 序章でまとめられている通り、白番はやりすぎないことが大切(よくなるわけないのだから)であり、互角ならばむしろ大成功だということ知ることが上達への道なのであろう。

 本書の28局で黒番布石に対する対策がすべてわかるわけではない。またこの本に掲載されている例は、黒の打ち方に問題があったから白がよくなったのだという側面があるのもわすれてはならない。ただし、本書を読み通すことで白番の勘所がわかるし、白番布石での成功の目安を体感できることが一番重要だろう。それは、白番がうまくいかない理由は、そもそも形勢を損じているというケースだけではなく、実はうまくいっているのに不利だと思いこんで自滅するケースが少なくないはずだからだ。

 基本的には有段者向けだが、白番の力加減、成功の判断基準を知るという意味では上級者でも参考になるかもしれない。
スポンサーサイト
category
布石