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現代囲碁大系22・23 坂田栄男(上・下)/坂田栄男



講談社/諸井憲二
有段者 ☆☆☆★ 

 現代囲碁大系22、23卷
 内容は充実しているがタイトル王坂田のキャリアは上下巻50局では収まりきらない観がある。何せ獲得したタイトルが64(この打碁集作成時で60を超えている)もあるのだから。3巻構成にしてもよかったのではないかと思うくらい。他の現代囲碁大系の編集方針と同じく、修業時代の棋譜から晩年の棋譜までカバーしているが、そのことで全盛期の名局が収まりきらなくなったのは惜しい。中押しの碁も多く、解説は手所を中心に充分に紙巾を割いてなされている。

 
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昭和(打碁集)

現代囲碁大系32 工藤紀夫高木祥一/工藤紀夫高木祥一



講談社/勝本哲州
有段者 ☆☆☆ 

 工藤紀夫九段の打碁を20局、高木祥一九段の打碁を10局収録している。ライターは工藤九段の師匠筋でもある勝本哲州。

 工藤九段は竹林世代で、その二人と三羽烏(石田加藤武宮)、趙小林といった黄金世代の猛威をもろにかぶったことになる。獲得タイトルは王座と平成に入ってからの天元と数は少ないが、むしろこの世代でひとつでもタイトルを獲得できたことを評価すべきだろう。
 少年時代の工藤九段は力戦・悪力の雄だった。この碁でも影山利郎五段との一戦はその代表作。しかし力戦だけでは壁にぶつかり、手厚く打ち進め終盤に力を発揮する棋風に脱皮して一流棋士の仲間入りをする。その成長の過程が師匠の目から書かれており、興味深い。
 対戦相手は上記の7名が多く、林海峰+木谷門の時代を裏側から眺めているような気分にもなる。

 高木九段は今や解説者としての声望のほうが高いかもしれないが、プロ棋士の中では評価の高い実力派である。棋風がよく出た攻撃的な好局が揃っている。
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昭和(打碁集)

現代囲碁大系18・19 高川格/高川格

 

講談社/村上明
有段者 ☆☆☆☆ 

 本因坊9連覇の名棋士高川格九段の打碁集
 高川九段は平明で手厚い石の運びが特徴で、それを支えるのは明るい大局観である。秀栄に私淑していたことは広く知られるが、秀策から秀栄で完成された古典的な棋理を正統的に受け継いだ棋士といえるだろう。

 現代碁の特徴・要素にはコミ、持ち時間、新聞棋戦(タイトル戦)といったことが挙げられるが、高川はそれらに一番早く対応し、方法論を確立した棋士としても重要な位置を占める。昭和の碁を革新した呉清源はコミなし碁の申し子であり、コミ碁ではむしろ苦戦した。その面では高川の方が現代的で、コミ碁の布石法の基礎を確立したのは高川である。また持ち時間のペース配分など、芸道に傾きがちな日本囲碁界にあって、ものごとに現実的合理的なアプローチのできるひとであった。
 また理性的に見える反面で、高川には一代の勝負師としての顔もある。「たぬき」とあだ名されてもいる。現代的な合理的精神と、秘めた勝負への執念が本因坊9連覇の金字塔を打ち立てる原動力となったのであろう。
 
 本書は高川九段の棋風を反映して煩瑣な参考図は少なく、大局的な評が目立つ。ライターの村上明氏の構成がシンプルでわかりやすいことに定評があることとあり、非常にわかりやすい。級位者が基礎を学ぶためにもよい打碁集ではないかと思う。
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昭和(打碁集)

現代囲碁大系30 大平修三/大平修三



講談社/頼尊清隆
有段者 ☆☆☆★ 

 現代囲碁大系第30巻。丈和の再来といわれた大平修三九段の打碁集
 大平九段の世代は、修業時代が戦争期と重なっており、非常に運の悪い世代といえる。その世代の中で日本棋院選手権四連覇などの際立った活躍をしているのが大平九段である。
 丈和の再来・今丈和と評されたとおり、力戦の雄として知られるが、今振り返ると読みの深さとその裏返しの発想の柔軟さが際立った碁である。もちろん大平九段の碁は、昭和の碁、日本の碁の系譜から大きく外れるものではないが、現代の妥協のない力戦の萌芽を見てとれると言ってはいい過ぎか。
 温厚な人だったという話だが、自分の碁、読みに対しては自信を持っていたようで、解説での評価・判断は明解である。

 序盤中盤の解説を重視した構成で、最終譜に長い手順を割り振っているのが読者にとってつらいところかもしれない。
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昭和(打碁集)

現代囲碁大系

 現代囲碁大系のシリーズまとめページ。
 2008年から並べているが中断してしまいなかなか終わらない。

第1巻 明治・大正名棋家集一/榊原章二など
第2巻 明治・大正名棋家集二/榊原章二など

第3巻 昭和名棋士集一
第4巻 昭和名棋士集一

第6巻 岩本薫/岩本薫
第7巻 橋本宇太郎(上)/橋本宇太郎
第8巻 橋本宇太郎(下)/橋本宇太郎

第8巻 木谷實(上)/小林光一
第9巻 木谷實(下)/小林光一

第10巻 前田陳爾 宮下秀洋/大枝雄介
第11巻 呉清源(上)
第12巻 呉清源(下)
第13巻 関山利一 半田道玄/小山靖男
第14巻 島村俊廣/島村俊廣
第18巻 高川格(上)/高川格
第19巻 高川格(下)/高川格
第20巻 藤沢朋斎(上)/藤沢朋斎
第21巻 藤沢朋斎(下)/藤沢朋斎

第22巻 坂田栄男(上)/坂田栄男
第23巻 坂田栄男(下)/坂田栄男

第24巻 杉内雅男/杉内雅男
第25巻 梶原武雄/梶原武雄
第28巻 山部俊郎/山部俊郎
第30巻 大平修三/大平修三
第31巻 橋本昌二/橋本昌二
第32巻 工藤紀夫 高木祥一/工藤紀夫 高木祥一
第33巻 林海峰(上)/林海峰
第34巻 林海峰(下)/林海峰
第35巻 大竹英雄(上)/大竹英雄
第36巻 大竹英雄(下)/大竹英雄
第37巻 石田芳夫(上)/石田芳夫
第38巻 石田芳夫(下)/石田芳夫

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