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黄龍士/薛至誠



清流出版 牛仙仙訳 マイケル・レドモンド監修・解説
高段者 ☆☆☆★

 昨今中国では、中国古典(清代の棋士たち)の再評価が進んでいるようだ。

 黄龍士に限らず、清代の双璧である范西屏、施定庵の評価が日本でいまいちなのは力戦型の棋士であり、大局的な明るさに乏しいからだ。判断力よりも読みの碁であり、日本では前者の方が重要視される。しかし、昨今の中韓の棋士の台頭・隆盛と日本の没落は、読みの力の差であり判断力重視の行き過ぎ(形にこだわり過ぎ)にあると思われ、そういう状況の中で清代棋士の再評価もされやすくなったと言えるだろう。

 互先置石制(タスキ星に打ってから白から着手する)時代の棋譜で、日本の古典とは違った意味で現代とは布石が大分違う。予想通り全局的な明るさを感じる場面は少ないが、読みの力や着手の激しさには素晴らしいものがある。現代中国の碁の祖形は確かにここにあるかもしれない。

 もっともこれを買って並べる人はかなり物好きだとも言えるだろう。 

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中韓(打碁集)

常昊対局集-世界超級棋手争覇叢書/封嵩編



成都時代出版社
有段者 ☆☆☆★

〈購入情報〉
 書虫で買えます。こちらチャイナモールで買えば現在のレートで1000円強。国際送料を含めても安上がりになるでしょう。

※並べ終わったので感想を加筆しました。
 中国常昊打碁集
 基本的には棋戦の決勝戦を機械的に掲載するという、中韓の打ち碁集によくあるスタイル。全143局収録(全509ページ)。
 1990年の世界アマ(対三浦浩)から2008年末までが掲載されている。従って2009年の春蘭杯は掲載されていない。
 2,3譜に分けて掲載されている。解説は中国語だが、漢字なのでだいたい理解できる。参考図はない。

 棋戦決勝だけを収録する編集スタイルでは常昊は不利かもしれない。李昌鎬に負ける負ける。常昊は必ずしも世界のトップのトップであり続けた棋士ではないので、惜敗棋譜集みたいな感じもあり、並べていてストレスがたまる。それだけに応氏杯を獲得したところで得られる充実感はこの上ないものになるが。
 編集方針にひと工夫ほしい打碁集であった。
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中韓(打碁集)

昭和の名局3 覇者への大道/林海峰



日本棋院/村上明
有段以上 ☆☆☆★

 本巻は呉清源の末期、高川の本因坊9連覇、タイトル王坂田の全盛期、そしてそれを崩した林海峰の登場と言った内容。
 いずれも昭和囲碁史の重要場面だが、少し坂田時代の扱いが小さくはないかと疑問。もう少し紙巾を割いてもよかったのではないか。
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昭和(打碁集)

囲碁年鑑2012/日本棋院



囲碁ファン ☆☆☆

 今年も囲碁年鑑の季節がやってきた。
 国際棋戦情報が薄いなど致命的な弱点を抱えながらも、日本の囲碁のすべてを知ることのできる一冊。日本棋院会員になる必要はないと思うけど、囲碁ファンなら毎年買うべき本だと思う。
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年鑑(打碁集)

昭和の名局2 不滅の抗争譜/藤沢秀行



日本棋院/相場一宏
有段以上 ☆☆☆☆

 第2巻は、特にドラマチックな展開が楽しめる。
 この巻におさめられている主な内容は、戦後呉清源の復帰と不敗の十番碁、コミ碁の本格化と高川の活躍である。コミなし打ち込み制十番碁の裏で着々とタイトル戦の時代(コミ碁)が進展していたという形だが、この巻は何と言っても呉清源主役である。満点を先相先に打ち込んだ超人的パフォーマンス、ミラクルが生き生きと描かれている。
category
昭和(打碁集)