13路盤で最速上達/吉原由香里 王唯任 万波佳奈



NHK出版/
入門 ☆☆☆☆

 入門書というよりも入門その後に力点を置いた内容となっている。

 序章と第1章では6路盤・9路盤を使って囲碁のルールを紹介している。
 第2章以降は、13路盤を使って、「布石」「戦い」「ヨセ」について解説する。囲碁は序盤・中盤・終盤と多様な表情を見せてくれるゲームであり、そこが面白くもあり難しくもある。囲碁というゲームのおおよその全体像をつかめるかが入門者にとって課題で、その部分を13路盤を使って説明するというアイデアには大賛成である。簡単に書いてあるが、大切なことがしっかりおさえられている。

 19路に進んだがなかなかうまくいかない人も、本書で基礎をみなおしてみるとよいだろう。
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入門

世界の新定石Ⅰ/江鋳久 ゼイノイ



 棋苑図書/
 有段者 ☆☆☆☆

 新定石とあると奇抜な新型を連想されるかもしれないが、本書で扱っているのは「星の1間バサミ定石」で、基本形から徹底的に解説してある。
 星の定石は20世紀後半から急速に進化を始めており、日本棋院の「基本定石辞典」などはそれに対応し切れていない。普段使うことの多い星定石(1間バサミだけだが)についてしっかりとした知識が得られるので、手元においておいて損は無い一冊である。
 もちろん熟読すると、プロの工夫やその背後にある思考法まで見えてきて大変勉強になる。
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定石

シチョウとゲタの基本/韓国棋院編



 
 棋苑図書/大島正雄
 有段者 ☆☆☆

 シチョウとゲタにターゲットを絞ったユニークな手筋問題集。問題集としてのできは標準的でありふれたものである。といってもそれが基本手筋集の宿命で、定番となる古典問題や定石変化などがちゃんと含まれているからありふれてしまうのである。

 「当たり当たりのへぼ碁かな」というのがあるが、初級の頃はやたらと当てる、やたらと掛けて捕まえようとする、など強引な手が多いもの。上達するにつれて無理な包囲や、無駄なアテを打たないということが身についてくる。
 しかし、「取れるなら取ってしまったほうがよい」というのも究極の真理で、筋がよくなりだしてかえって打ち方が甘くなるという皮肉なことも生ずる。
 この問題集はいずれも当たりや掛けで一気に相手の石を攻める筋ばかりが紹介されている。最近形になずんで甘い碁を打っているなと自覚している人は、たまにはこういう本で厳しく取りきる筋の再確認をしてみるとよいかもしれない。
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手筋

韓流 囲碁が驚くほど強くなる本 ~誰も言わなかった38の法則/チョウフニョン



 毎日コミュニケーションズ/
 囲碁ファン ☆☆☆☆☆

 イファング記者によるチョウフニョン九段インタビュー集。タイトルを見るとハウツーものかと思ってしまうが、「薫鉉(*)棋話」ともいうべきものである。
 *フニョンを漢字で書くとこうなる。日本では音読みされクンゲンと呼ばれることも多い。

 この本を読むと、秀行先生をして「天才」と言わしめたチョウフニョン九段の才気・見識は、単に盤上で発揮されるものではないことがわかる。裏を返せばさまざまなことに対する洞察力があるからこそ囲碁が強い、ということなのかもしれない。
 この本は雑誌に連載されたインタビューをまとめたもので、毎回毎回そのときどきの最新譜からチョウ九段が問題図を取り出して解説するという形式を取っている。自戦譜もあり、日本の棋譜もあり。妙手があれば見損じもある。テーマはそのときどきで様々だが、いずれも囲碁の繊細で微妙な部分をソリッドに切り取っており、非常に考えさせられたり、唸らされたりする。
 しかし、この本はそういった「手の解説」だけが魅力ではない。その間に語られるいろいろな雑談、脱線話に見るべきものがある。棋士の評価(李昌鎬、趙治勲、馬暁春、小林光一、小林覚、ゼイノイなどなど)、チョウ九段の人生経験(日本での修行、帰国、兵役、結婚など)、囲碁と社会の問題(ファンサービス、囲碁とこども、囲碁の効能など)、技術論(早打ちの是非、ポカについてなど)、勝負師の生活やメンタリティなど、と幅広く語られる。その言葉は、ときに過激だが非常に率直であり、説得力がある。

 囲碁に関する図・解説を理解するには有段の実力が必要だと思われるが、そこを無視して読んでも充分元は取れると思われる。非常にお薦めの一冊。
category
読み物/文芸

呉清源打碁全集/呉清源



 平凡社/
 有段者 ☆☆☆☆

 巨匠呉清源の打碁全集。その価値をくどくど書くまでもないと思われる。小林光一九段や趙治勲九段も修行時代に何回も並べたという。1997年に新装版が出ているが現在は古書でしか手に入らないものと思われる。
 廉価で手に入れたい場合はこちらをお薦めする。(購入した感想としては中国語だが漢字なので何とかなる。装丁はややいい加減なところはあるが思ったよりも不満は無い)
category
昭和(打碁集)